「誰に向けた動画か分からない」が失敗を招く理由と、ターゲット設定の正解

  • 動画効果

「みんなに見てもらいたい」が最大の落とし穴

「この動画、できるだけ多くの人に見てもらいたいんです」 「顧客にも求職者にも取引先にも、全員に響く動画を作りたい」 「幅広い層にアピールできる動画にしてください」

動画制作を発注される企業担当者の皆様、このようなリクエストをしていませんか?

「多くの人に見てもらいたい」という気持ちは分かります。しかし、動画マーケティングの世界には、こんな格言があります。

「すべての人に向けた動画は、誰にも届かない」

実際、ターゲットを絞らずに制作された動画の多くが、期待した効果を得られていません。制作費をかけたにもかかわらず、「誰も反応してくれない」「再生回数は伸びても、問い合わせや応募につながらない」という結果に終わってしまうのです。

本記事では、なぜターゲットが曖昧な動画が失敗するのか、そして成果を出すためにはどのようにターゲットを設定すべきかを、具体的な事例と共に解説します。


ターゲットが曖昧な動画が失敗する3つの理由

理由① メッセージが薄まり、誰の心にも刺さらない

ターゲットを広げようとすると、すべての人に配慮した内容になり、結果的に誰の心にも響かない動画になってしまいます。

失敗例:ある企業の会社紹介動画

ターゲット:「求職者、顧客、取引先、地域住民…みんな」

内容:

  • 企業理念(30秒)
  • 事業内容(1分)
  • 商品紹介(1分)
  • 採用情報(1分)
  • 社会貢献活動(30秒)
  • 創業者の想い(1分)

合計5分の動画になりましたが…

視聴者の反応

  • 求職者:「結局どんな仕事をするのか分からなかった」
  • 顧客:「商品の詳細が知りたかったのに、情報が薄い」
  • 取引先:「企業の強みが何なのか伝わらない」

すべての人に見せようとした結果、誰も満足しない動画になってしまったといった声は多く寄せられます。

理由② 表現やトーンが定まらず、印象に残らない

ターゲットによって、効果的な表現方法は全く異なります。

年代別の違い

  • 20代:テンポが速い、SNS風、カジュアル
  • 30代〜40代:適度な情報量、実用性重視
  • 50代以上:落ち着いたトーン、丁寧な説明

職種別の違い

  • エンジニア:技術的な詳細、スペック重視
  • 営業職:成果や実績、成長機会
  • 管理職:戦略性、ビジョン

ターゲットが曖昧だと、「誰にとっても中途半端な表現」になり、印象に残りません。

理由③ 配信チャネルと視聴環境が最適化できない

ターゲットによって、最適な配信方法は異なります。

20代の求職者がターゲットの場合

  • 配信先:Instagram、TikTok、YouTube
  • 尺:30秒〜1分(短く)
  • 視聴環境:スマホ、通勤時間、縦型

50代の企業経営者がターゲットの場合

  • 配信先:企業サイト、LinkedIn、展示会
  • 尺:3〜5分(詳しく)
  • 視聴環境:PC、オフィス、横型

ターゲットが不明確だと、配信チャネルも視聴環境も最適化できず、せっかくの動画が見てもらえません。


ターゲット設定の有無で変わる動画の効果

ケース① 採用動画の比較
❌ ターゲット曖昧:「求職者全般」

内容:

  • 会社概要
  • すべての職種の紹介
  • 福利厚生一覧
  • 社長メッセージ

尺:8分

結果:

  • 応募数:月5件(変化なし)
  • 視聴完了率:15%(ほとんどが途中離脱)
  • 面接での反応:「動画を見たけど覚えていない」
⭕ ターゲット明確:「20代後半のエンジニア志望者」

内容:

  • 入社3年目エンジニアの1日密着
  • 使用している技術スタック
  • 技術研修と成長環境
  • プロジェクト事例

尺:3分

結果:

  • 応募数:月18件(3.6倍増)
  • 視聴完了率:68%
  • 面接での反応:「動画を見て、ここで成長したいと思った」

参考動画:ターゲットを明確にした採用動画の好例

株式会社ジェイテック様 企業理念浸透動画

離職者を防ぐことを目的に、社員一人ひとりが仕事のやりがいや成長を実感できる環境づくりに共感する層をターゲットとしています。現場で働く社員のリアルな声やキャリアの広がりを伝えることで、入社後のイメージギャップを減らし、長く働く姿を具体的にイメージしてもらうことを狙っています。

ケース② 商品PR動画の比較

❌ ターゲット曖昧:「すべての人」

内容:

  • 商品の全機能紹介
  • 開発秘話
  • 会社の信頼性アピール
  • 幅広い用途の提案

尺:5分

結果:

  • 再生回数:5,000回
  • 問い合わせ:3件
  • ECサイト購入率:変化なし

⭕ ターゲット明確:「30代の共働き夫婦」

内容:

  • 朝の忙しい時間に、いかに時短できるか実証
  • 実際の利用者(30代夫婦)の声
  • 購入後のサポート体制

尺:2分

結果:

  • 再生回数:3,000回(少ないが質が高い)
  • 問い合わせ:42件(14倍)
  • ECサイト購入率:45%向上

参考動画:ターゲットを絞った商品PR動画

東京ガス CM「子育てのプレーボール」篇

子育て世代の“あるある”を巧みに演出し、共感を呼ぶ内容になっています。


正しいターゲット設定の5ステップ

ステップ① デモグラフィック情報を明確にする

まず、基本的な属性情報を具体化します。

設定すべき項目

  • 年齢:「20代後半〜30代前半」のように幅を持たせてもOK
  • 性別:男性、女性、両方(理由も含めて)
  • 職業:会社員、経営者、主婦など
  • 年収:予算感に関わる場合は重要
  • 居住地:地域性が関係する場合

悪い例 「20代〜50代の男女」→ 広すぎて絞れていない

良い例 「28歳〜35歳の、都市部在住の共働き女性、世帯年収600万円以上」

ステップ② サイコグラフィック情報を深掘りする

属性だけでなく、内面的な特性も重要です。

設定すべき項目

  • 価値観:何を大切にしているか
  • 興味関心:趣味や関心事
  • ライフスタイル:どんな生活をしているか
  • 悩み・課題:どんな問題を抱えているか
  • 情報収集方法:SNS、検索、口コミなど

「キャリアアップを重視し、新しい技術を学ぶことに意欲的。仕事とプライベートのバランスも大切にしたい。転職サイトやLinkedInで情報収集している」

ステップ③ ペルソナを作成する

具体的な一人の人物像を作り上げます。

ペルソナ例:エンジニア採用動画の場合

名前:山田太郎(仮想人物)
年齢:29歳
職業:Webエンジニア(現職3年目)
居住地:名古屋市内
年収:450万円
価値観:技術力を高めたい、裁量権のある仕事がしたい
悩み:今の会社では新しい技術に触れる機会が少ない
      成長が鈍化している気がする
情報源:Qiita、Twitter、転職サイト
求めるもの:モダンな技術スタック、技術的な挑戦、成長環境

このペルソナに向けて、「刺さる」メッセージを考えます。

ステップ④ カスタマージャーニーを考える

ターゲットが動画を見る前後の状態を想定します。

動画視聴前

  • どんな状況で動画に出会うか
  • どんな情報を求めているか
  • どんな不安や疑問を持っているか

動画視聴中

  • どんな情報があれば興味を持つか
  • どんな表現なら共感するか
  • どこで離脱しそうか

動画視聴後

  • どんな気持ちになってほしいか
  • どんな行動をしてほしいか
  • 次のステップは何か
ステップ⑤ 制作会社とペルソナを共有する

作成したペルソナを制作会社と詳しく共有します。

共有すべき情報

  • ペルソナシート
  • 参考となる競合の動画
  • ターゲットが好みそうなトーン・表現
  • 避けるべき表現

名古屋の制作会社なら、対面でペルソナについて詳しくディスカッションでき、より深い理解が得られます。


まとめ:「誰に」を明確にすることが成功の第一歩

「多くの人に見てもらいたい」という気持ちは理解できます。しかし、動画マーケティングで成果を出すためには、むしろ逆の発想が必要です。

「一人の理想的なターゲットに、全力で刺さる動画を作る」

この考え方が、結果的により多くの人に響き、成果につながります。

ターゲット設定の重要ポイント

  1. デモグラフィック情報を具体化する
  2. サイコグラフィック情報を深掘りする
  3. ペルソナを作成し、一人の人物を想定する
  4. カスタマージャーニーを考える
  5. 制作会社とペルソナを詳しく共有する

名古屋で動画制作を依頼する際の成功の秘訣

まず制作会社との初回相談で、「誰に向けた動画なのか」を一緒に深掘りしましょう。経験豊富なディレクターなら、曖昧だったターゲット像を具体的なペルソナに落とし込み、刺さる動画制作への道筋を示してくれます。

「ターゲットをまだ絞れていない」という段階でも大丈夫です。むしろそのタイミングで相談することで、最適なターゲット設定と動画制作プランが見えてきます。

動画制作の成功は、「誰に」を明確にすることから始まります。


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次週は、「美しさと伝わる力の両立」をテーマに、効果的な動画作りのポイントをお届けします。

「見た目がきれいでも、伝えたいことが伝わらなければ意味がない」映像やデザインにこだわるあまり、肝心のメッセージがぼやけてしまうこともあります。

ぜひ次週も、ご期待ください。

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